bxblue創業者 グスタヴォ・ゴレンスタイン インタビュー Part 3


ブラジルの起業家に幼少期から成功までの道のりを語ってもらうブラジル・ベンチャー・キャピタルの独占インタビューシリーズ。

今回はポウピ(Poup)を起業後売却し、現在2つ目のスタートアップとなるベーシスブルー(bxblue)というフィンテックのスタートアップを立ち上げたグスタヴォ・ゴレンスタイン氏のインタビューです。

bxblueはシリコンバレーのYコンビネーターのプログラムにも参加したスタートアップで、私どもブラジル・ベンチャー・キャピタルもYコンビネーターに投資を受ける前の段階で出資しているスタートアップです。

 

第三部ではグスタヴォが現在立ち上げているbxblueでの経験をYコンビネーターのプログラムの内容を含めて語ります。

 

新たな可能性の世界へ

新しいビジネスを考える前に、私が自分自身に問うたことは「私は一体誰と起業をしたいのか?」私にとってそれが一番大切なことだったのです。私の頭の中には、少なくとも10人のアントレプレナーのリストがありました。その中の2人は、ソフトウェア製造会社でカルロスの元共同経営社だったファブリシオ・ブゼット(Fabricio Buzeto)と、私がロンドンから帰った時最初に行われた、起業に関するイベントのオーガナイザー出会ったホベルト・ブラガ(Roberto Braga)です。

ファブリシオと私は、週の平日に一緒に走るのを習慣としていました。そのランニングの中で、一緒にビジネスを始めないかと私は提案しました。すると彼は「ちょっとまってよ、私はソフトウェア会社を始めたばっかりなんだよ!」。だから私は言いました。「ソフトウェア会社だって?ファブリシオ、それはもう以前にやったことがあるじゃないか。もっと違うビジネスで新たなチャレンジをしようよ」

バーカウンターでの雑談を知っているでしょう?ランニング中の雑談もそれと同じなはずです。でも次の週に、もう一度ランニングのために彼に会った時に彼が「私が会社を離れることはもう皆に知らせたたよ。で、我々で何を始めようか?」と言ったのです。その時は何から始めるのかという考えのかけらもありませんでしたが、ホベルトをランチに誘いました。彼が関わっていた企業を辞めたばかりだということを知っていたからです。そして彼の答えは「それが何だかわからないけれど、君たちとであれば僕は参加するよ!」そのようにしてドリーム・チームが結成されました。

2016年の半分が過ぎたころ、私たちは集まってアイデアを提案し合いました。世界でどんな素晴らしいことが起きているのか、マーケットで何が大きく求められているのかをリサーチしていました。一つのアイデアは銀行のためにAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェイス)を立ち上げるというもの。APIとは2つのシステムの間で互いにコミュニケーションをとり、情報を交換できるための橋のようなものです。

例えばインターネットバンキングであなたの口座にいくら残高があっていくらおろしたのかをあなたに通知ができるためには、銀行のシステムとコミュニケーションが取れる状態にいなければならないのです。

我々のビジネスプランは、ブラジル国内の全ての銀行がフィンテックにつながるように、APIのプラットフォームを作り出すというものでした。銀行にとっては十分に素晴らしいサービスで、もし実現すればこのプラットフォームを使ったサービスを提供したいソフトウェア会社が進んで売ってくれるだろうと思いました。一方で、フィンテックで新事業を興したいスタートアップにとっても素晴らしいアイデアで、銀行のデータを様々な形で活用して新たな商品・サービスを作ることができるようになります。

我々3人はそのアイデアが気に入りました。すでにヨーロッパでそのビジネスをしているスタートアップもありました。

早速私たちは3-4の銀行と話をしに行きましたが、すでに彼らは彼ら独自のAPIシステムの開発を始めていました。「それはすごい!ちなみにAPIはいつ完成するんですか?」と聞くと、彼らからは明確な返事はありませんでした。そこで「今までどのくらいこれに時間をかけてきたんですか?」と聞くと、「すでに6年はかかっている」とのことでした。

銀行が自ら開発してこんなに時間がかかるのであれば、私たちがすぐに完成させられるはずがない、と思い、私たちは落胆しました。でも、その中で私には一つ気が付いたことがありました。私たちが銀行とAPIシステムについて話をしていた時、いつも、彼らはAPIがあればローンを提供することができるというコメントをしていたことです。

ローンの提供、それこそが、銀行が売りたいものなんです。つまり現金を売りたいのです。私たちはブラジリアにいたので、特に公務員と年金生活者にフォーカスを当てたローンである、給与天引きローンについてヒアリングを始めました。一つのアイデアを追っている中で、もうひとつのアイデアが生まれたのです。

 

いますぐランチミーティングだ!

誰かと会話をしていた時、給与天引きローンのマーケットの規模を質問しました。その人は、500億レアルだと話しました。「なんてこった、500億って、ブラジルのイーコマース全体の規模じゃないか!」と私は思いました。次の日、Googleでリサーチをしました。一つ目のリサーチでヒットしたマーケット規模の数値は2890億レアルでした。

今でもその時のことを覚えていますよ。それを見たとき私の心臓は飛び出そうでした。ブラジルのサッカー業界全体でも1000億レアル程度なのに・・・、サッカーの3倍の市場規模もあるんです!そして、イーコマースの6倍です!

私はすぐにホベルトに電話をしました。「インターネットで売ってるもので3000億レアルの市場規模があるものがなんだかわかる?」

ホベルトには全く見当もつきませんでした。

「ホベルト、給与天引きローンだよ。3000億レアルのマーケットなんだよ!!」

と私が言うと即座に彼は

「今すぐ集まろう、ランチミーティングだ・・」

と答えました。

私たちはそれまでそのマーケットについてほとんど何も知りませんでした。なので私たちの手の届く範囲のことから始めました。ファブリシオの家族にはたくさんの公務員がおり、給与天引きローンを利用している友達も知っていました。

私たちはその友達といくつかのヒアリングをして、現在のシステムに抜けいてビジネスチャンスになる部分は何なのか理解し始めました。顧客からローン販売業者、銀行の代理店、銀行、という一連の関係者をつなぐプロセスがすべてオフライン、つまり紙ベースで、しかも手作業で行われているということでした。

この効率の悪いプロセスが商品をより高価なものにしていたのです。このサービスをより流れのいいものにすることに成功したら、私たちは利子を下げることができ、スピードも加速させ、銀行にとっても利用者にとっても透明でより安心したサービスになるのではないかと考えました。

Poupの例のように、そのサービスを提供できるシンプルなサイトを作り、システムのテストをし、マーケットについて学びました。それでも、全てのプロセスをオンラインにするわけにはいきませんでした。

私たちは、給与天引きローンを売っている銀行の代理人が数多くいるブラジリアの南の商業地区まで行き、業務提携を申し出ました。「ローンで支払いたい家族の友人がいるんだ。あなた達のところに彼らを連れてきてもいいかな?」私たちは、こうしていくつかの代理店と一緒に仕事をすることでビジネスについて学んでいきました。プログラマーでありPhDすら持っているファブリシオが、ローンの代理店の事務所の一つで「インターン」をするほどでした。こうして私たちは、代理店と銀行がどのように機能しているのかを理解しました。そしてファブリシオに「僕は、このプロセスが初めから終わりまで完全にオンラインにできる絶対的な確信がある」とまで言わせるまでになっていました。

あとは私たちがシステムにアクセスできるようにしてもらえるように銀行に話に行かなければいけない、それだけでした。

こうしてbxblueが生まれました。在ブラジリア・リサーチ・サポート基金(FAPDF)から20万レアル近くを獲得し、それが私たちのサービスの広報活動などの資金になり、少しずつ私たちのプラットフォームに人が集まるようになりました。

 

bxblueの資本調達

こうしていくつもの段階のテストを終えて、ビジネスが成長するために資本を投入する段階にきていました。はじめの目標は40万レアルを調達するというもの。私はピッチを準備し、投資家と話をするためにサンパウロを訪れました。

まず初めにPoup時代からすでに知っていた何人かを選びアプローチをしたのですが、唯一Wayraでスタートアップ・ブラジルのプログラムでPoupに投資をしてくれた人だけが会ってくれることになりました。他の投資家たちは海外に至り休暇中でもっと先でないと会えないとのことでした。

しかし幸運なことに、そのWayraのカルロス・ペッソーア(Carlos Pessoa)は、5万レアルを出すことを約束してくれました。カルロスから紹介されたブラジル・ベンチャー・キャピタルに、そのミーティングを終えた後そのまま会い、投資について前向きな返事をもらえました。さらに、次の日にもう一人のエンジェル投資家とのミーティングもうまくいき「カルロスが投資するの?じゃ、僕も同じ金額を出すよ」という感じですんなり約束をとりつけることができました。こうして興味をもった投資家が他の投資家を紹介してくれて、たった3日で目標としていた金額の投資の約束を取り付けることができました。

希望額に到達した後も、他の参加したい人から連絡がくるようになりました。その中には、Poupの時には出資しなかった人たちも含まれていました。 ある大手のファンドまで興味を持ってはなっしを聞きたいと言ってきました。最後には、目標額の倍である80万レアルを獲得することができました。

2017年当時、ラテンアメリカの最高のアクセラレーターの中の一つであるスタートアップ・ファームからの支援もありました。その年の最初の3カ月は、彼らのおかげでビジネスを急速に成長させることができましたし、後に、ブラジル銀行のようにbxblueにとってとても大切なものをもたらしてくれました。

 

Yコンビネーターにチャレンジしない手はない!

資金が手に入ったので、私たちの想定では6カ月以内にbxblueは月々10万レアルの収入になるというものでした。しかし、そんなに簡単ではありませんでした。1年が経っても我々の企業はこの段階にも達していませんでした。ということは、もし私たちが当初の目標額である40万レアルだけしか資本を獲得していなかったら、状況はさらに悪くなっていたでしょう。私たちはもっと多くのお金を必要としていました。

ファブリシオとホベルトのところに行き、アメリカのYC(Yコンビネーター)のアクセラレーション・プログラムへの参加にチャレンジしてみようと提案しました。私たちは自分たちのビジネスが、彼らが求めているビジネスのタイプではないことはわかっていましたが挑戦することにしました。

その年の1月に 私はGoogleのアクセラレーターのメンターの仕事をするためにシリコンバレーに行ったのですが、その時にYCで働いていた人に紹介してもらっていたのです。その人とカフェをすると、たとえ私たちのビジネスがYCアクセレーターがよく選考していたタイプの事業ではなかったとしても、プログラムに参加するよう彼もアドバイスしてくれました。

私たちはYCの応募に時間を割きました。英語を見直したり、ビデオを作成したり、なかなか大変な準備でした。特にビデオはこのプログラムに参加する候補にとって一番大変なチャレンジの一つだと思います。

その後、幸いにも面接を行うために呼ばれました。YCのあの有名な恐怖の面接は、10分ほどで終わりました。それが、彼らが投資をするかしないかの選考をする時間なのです。試験官は4人いて、それぞれが5-6秒の質問をして、回答者は15秒ほど答える時間があり、それが続くのです。結果は同じ日に出されます。もしメールをもらったら、うまくいかなかったということ。もし電話があったら、いい知らせということです。午後が終わりかけていた頃、私たちのところに電話がありました。私たちは喜びのあまり飛び上がりました。それは夢が実現したようなものです。いまでも、私は思い出すだけでゾクゾクします。

 

たくさんの人が、あのYCのプログラムが特別な理由は何なのかと尋ねてきました。私はこう説明しました。「彼らは10年以上この市場に君臨し、彼らはそのトップに居続けているだけではなく、創立当初よりも3倍も4倍も成長をしているんだ。僕が考えるにその”魔力”の一部は、「とにかく今すぐものすごい勢いでプロジェクトを進めないといけない」という”心理状態”に起業家達を持っていくことなんだよ。もう一つは彼らが提供するメンターのネットワーク。あの優れたメンターのネットワークは世界でも最高のものなんだ。」

彼らとの最初の会議の中で、彼らにbxblueはどんな成長指標を参考にしていくのかと尋ねられました。

「私が思うに契約の数だと思います。 なぜなら私たちは、収入を予測するために私たちのサイトにアクセスした利用者のどれだけの数が検索しに来るか判定する手段がないのです。」

と答えました。

すると彼らが、「もしあなたたちがどの成長指標にするかまだ確信が持てていないのであれば、ブラジルに戻っていいですよ。なぜならやるべきことをしていないということなのですから。」

収入予測は必要不可欠な要素でした。

もうひとつ、私たちがうまくやれていなかったことがありました。それは広報です。「ローンが必要ですか?」という私たち自作の宣伝はあまり意味をなしていませんでした。

さらに私たちがより結果を出すために必要としていたのは、的確な消費者を得ることでした。誰がローンを探していて、何を求めているのか?アパートを直したいのか、大学の学費を支払いたいのか・・などです。これらの助言は私たちにとって大きな助けになり、私たちは解放してくれました。

プログラムは、2017年の7月から8月に行われました。そして毎週7%の成長をすることが求められました。私はプログラムを始める前にブラジルの投資家たちと会議をしました。そこで1人の投資家が「グスタヴォ、bxblueが週にその目標の4分の1でも成長したら、私たちは嬉しいよ。」最終的には、私たちはその目標の4倍の成長を遂げました。

 

成長するか、もしくは・・・成長するか(道は一つしかない)

私は仕事が本当に好きです。しかし、YCでの体験は私を他の領域に連れて行きました。彼の地での私たちのメンタリティーはこのようなものでした。私たちの会社が成長するか、もしくは私たちの会社が成長するか(それしか道はない)・・・・私たちは15日ごとに彼らと会議をし、週の収入のための目標を達成していきました。

素晴らしい結果を出していましたが、次の15日後には倍にしなければいけませんでした。「次は無理だよ」と私は言いました。でも、私たちは目標を達成しました。でも、再び倍にするように言われました。「無理だよ・・」そう言いながら、出来ました。2週間ごとに私たちは収入を倍にすることができるようになってきました。YCでは10倍に成長した者は保証された企業だという評判を得ることができます。そんなのは魔法の数字です。私たちはとにかく結果を出すことに集中し、友達との交流の時間や睡眠時間を犠牲にすることで最終的には12倍に成長させることができました。

実際どんな生活だったのか話しましょう。どんどん睡眠の時間が削られて、最後には1日4時間になっていました。私は2時30分に仕事をやめ、6時30分に仕事に戻りました。ブラジルの時間ではすでに10時30で、オペレーションはもう動き始めていました。私はそれでもまだ時間が足りませんでした。一定の時間をbxblueの業務に割いた後に、私はより多くの宣伝を行なってより多くの人を呼び込み、銀行がより多くの利用者を受け入れ、売上を伸ばすための方策を見つけなければなりませんでした。

1秒たりとも無駄にできなかったのでお風呂に入る余裕もなかったのですが、ある日私はお風呂に入ることにしました。でも私は目標値を2倍にするためにもっとやらなければいけないことがありました。「私はここで一番の劣等者にはなりたくない」と考えていました。

「いま私は世の中のトップレベルの人たちの中にいるけれど、このグループの中で醜いアヒルの子にはならないんだ。」彼らにバカにされるブラジル人の1人にはなりたくない、と。

朝食をパスするようになりましたが、それでもまだ時間が足りなかったのです。さらに、昼食をパスするようになりました。私はまるで家畜になったようなものでした。臭くて、食事もせず、少ししか睡眠をとらない。

20日間後には私たちは舞台に立って、千人の聴衆の前でbxblueについてプレゼンをしなければならなかったのです。様々な投資家であるキャピタルシードやエンジェル投資家、ベンチャーキャピタルのファンドが一堂に揃うイベントであるDemo Dayが近づいていました。私は体調を整えておかなければいけなかったのです。

そんな時、私の共同経営者が私の作業の手を止めました。「グスタヴォ、ここに座って。我々は話をする必要があるよ。僕は君の前にこのランチプレートをおくから、君はこれを食べるんだ。僕が1時間後ぐらいにお皿を回収するためにここに戻ってくるまでに、空にしておくんだよ。」彼らは心配をしていました。

なんてすばらしい仲間を持ったことでしょうか。本当の意味で彼らは私を助けてくれたのです。

 

投資を受ける前の投資家探し

bxblueのことを参加者皆に見せることができるチャンスであるそのイベントまで、残り10日となりました。その時、我々の投資家の一人が、YCと全く逆に、私たちは資金調達を考える時に来ていると警告しました。Demo Dayだけで投資調達を行うのを待っているのは得策ではありません。投資家は彼らの間で競争をしているのです。もし私たちが資金を調達した状態でイベントに参加したら、投資を獲得できるチャンスは大きくなる。投資家が望まないことは、いいチャンスを逃すことだからです。

そのため、この策に掛けてみる事にしました。私たちの目標は、イベントまでの1週間で50万ドルというもの。YCの人にこのプランを話したら、彼らはこのように言いました。「グスタヴォ、それは大金だよ!」と。

YCのプログラムに参加するアドバンテージのひとつは、プログラムに参加している、それだけで投資家の注目を集めるという事なのです。通常では、全く逆で、起業かは投資家に頼み込んでようやくミーティングをしてもらえるのです。私たちはメキシコのファンドと知り合いになり、私たちのブラジルの起業家ネットワークを紹介する代わりにDemo Dayの評価額から25%のディスカウントした額で投資を受けることを提案し、彼らから25000ドルを獲得しました。

 

それが始まりでした。

 

続いて、もう一人投資に興味を持った人物からメールを受けました。彼とは電話で話し、最後に彼が私たちに4万8千ドルを投資すると提示した時、私はこう言いました。

「わかりました。5万ドルですね!」

すると彼は

「聞こえていないのかね?4万8千ドルドルだよ」と。

私はもう一度食い下がりました。

「でも、その金額は私たちの口座にとってはややこしいんです。5万ドルにしてもらえませんか?」

彼は落ち着いた口調でこう言いました。

「私は確信を持って言えるよ。こんなたやすい電話で4万8千ドルドルを獲得するなんて君の人生にはもうないんだよ。」

そして彼はこう付け加えました。

「これは私の中国でのラッキーナンバーなんだ。君ならわかるだろう?」

その後も他の投資家からの連絡が続き、イベントの当日には60万ドルを調達していました。こつこつと積み上げることでこの金額に到達したのです。そして私はこう考えました。「もしDemo Day がうまくいかなくても大丈夫、私は他のブラジルのスタートアップがファンドから獲得できるのと同じ金額をすでに手にしているんだ。」

結局私たちは、100万ドル以上の資金を手にしDemo Dayの会場を後にしました。たった10日の間に、我々は300万ドルの申し出を受けました。YCによると、その金額を調達するのに通常は平均して6-8ヶ月かかるそうです。私たちは、私達の株式の持ち分を必要以上に少なくしたくはなかったので、その全てを受け取りはしませんでした。

ただ、少なくとも、私たちが資金調達にトライした2回のチャンスの中で、多くの起業家たちがその人生で手にしたよりも多くの幸運を私たちは手にしたのです。

その後、私たちは我々チームを成長させるという目標のためにブラジルに戻り、現在に至ります。簡単な道ではありません。bxblueは2017年の4月にオペレーションをはじめましたが、私たちが当初に話していた状態である100%オンラインのサービスになるまで11ヶ月もかかりました。その前は、ローン契約締結の最終段階は郵便を使い紙で行なっていました。

今日では、私たちの企業は30人の従業員を持ち、信頼に足る本社と、マーケットの中での信頼もより獲得しています。ブラジルの給与天引きローンの最初のAPIをブラジル銀行と確立するという業務提携も結びました。私たちはブラジル銀行専用のAPIを作ることで、bxblueのサイトの訪問者がブラジル銀行とローン契約をするためのすべてのプロセスを3分で終えることを目標にしています。私たちは2年前に夢に見てたビジネスを現在進めているのです。大きな銀行と、100%オンラインで、最小限のクリック数で契約を締結するシステムの構築です。

 

水からワインへ・・・

この数年、ブラジルのスタートアップのエコシステム全てが水がぶどう酒へ変わる(聖書にあるイエスの奇跡)という様に劇的に変わりました。起業家のレベルは格段に上がりました、投資家も同様にいろいろな面でレベルアップしています。 この数年で様々な経験をして、様々な失敗もして、様々な成功もしてきたので、以前よりもよく準備ができている状態になっていると思います。

2012年には、投資家になることがどういうことかをわからずにエンジェル投資家になろうとしていた人がいました。6ヶ月程度の期間で収益計画が未達になるや否やとくかくプレッシャーをかけ始めていました。起業家自身にも投資家と対応するスキルがなく、投資家も自分たちが何にお金を出したかを理解していなかったため、2000年代の初めに多くのスタートアップが消えていってしまいました。それに比べると現状は当時とは比べ物にならないほど改善しているように思います。

 

未来の起業家たちへのメッセージ

お金のことは期待せずに、あなたのビジネスがマーケットの中でどのような価値を持つのか見極めながら、利用者があなたの提供しているもの自体を求めているのか見ながらビジネスを始めましょう。

良いチームを選びましょう。今日では、みんなお互いに補完関係にあるチーム作りの話をしていますよね?私にとっては、それはばかげたことです。もちろん、物事を進めるには異なるエリアの知識があることが必要です。でもより重要なことは、3人でも4人でも、全員が同じ事を最重視できる仲間のチームをあなたが作ることです。異なった専門性を持つ人材でチームを作ること自体には価値はありません。

例えばホベルトはマーケティングの畑で働いたことがそれまでありませんでしたが、今では驚くほどbxblueに集客をもたらせています。私は銀行で仕事をしたことがありませんが、すでにすべての銀行の人たちと話をしています。いままで経験がなかったことでも時間とともに学んでいけるのです。

しかし最初の段階から一つの目的に向かい一直線に進むことは必要不可欠だと思います。

 

bxblue創業者 グスタヴォ・ゴレンスタイン
グスタヴォ・ゴレンスタイン

Gustavo Gorenstein – グスタヴォ・ゴレンスタイン: 
Yコンビネーターからも出資を受けたベーシス・ブルー創業者。大学で経営学を学んだ後コカ・コーラ社に8年間勤務。その後経営者の参謀となるキャリアから自らが経営者人なるべくキャリアチェンジを決断。最初にポウピを起業しエグジットした後、現在2社目のスタートアップとなるbxblueの立上げに従事。 リーンスタートアップという言葉が今ほど知られるようになる前から自ら実践しているブラジルの起業家エコシステムの中でもリーダー的な存在。

 

Poup – ポウピ:
Poupはオンラインショッピングを行った消費者がキャッシュバックを受けられるクーポンサイトでブラジルでは草分け的な存在。2012年後半に設立後2018年にはキャッシュバックサイトの最大手の一つである。2017年12月にCBSS銀行に売却。

bxblue – ベーシスブルー
bxblueは2016年3月に設立。給与天引き型と呼ばれる、個人向けローン商品の選定から契約までのプロセスすべてを100%オンラインで完結するブラジル史上初のプラットフォーム。

  


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