フォーラム便り vol.6 | アメグミ 常盤瑛祐氏

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-重要なお知らせ-

第3回ブラジル・ジャパン・スタートアップ・フォーラムを2月14日(金)東京で開催します!

詳しくはコチラ

フォーラム便りvol.1では、フォーラムの全体像と、ブラジルベンチャーキャピタルによるOpening Remarksを取り上げました。

vol.2以降は、全18セッションの模様をシリーズでお届けして参ります。

今回は、アメグミ社 常盤瑛祐氏による日本発スタートアップのセッションです!

アメグミ社 常盤氏によるセッション

会社概要 | “Blaze Your Destiny – 社会的弱者をデジタルサービスを通じて支援する”

アメグミは、2016年に創業しました。CEOである常盤氏の専門はマーケティングとデータ分析で、スタートアップ3社での経験があります。貧困や虐待の環境で育った経験から、「社会的弱者をデジタルサービスを通じて支援したい」と考えています。現在は、低所得者向けに低価格で長持ちし、必要最小限の機能にフォーカスしたスマートフォンならびにOSを開発提供しています。同社は中国深センの企業とOEM提携を結び、VC2社、エンジェル投資家16名らから、累計でUS$1.2Mの資金を調達しています。

代表の中山も、出資にあたり以下のようなメッセージを寄せました。

「アメグミのソリューションは世界で必要とされていて、常盤さんなら適切に提供できる、という確信を持っています。ラテンアメリカでもinclusion、empowermentは大きな課題です。微力ながらこの壮大なプロジェクトをお手伝いさせて頂けることは光栄です。」(PR Timesより抜粋)

 

SUNBLAZE Phoneとは? | 安くて、長持ちして、必要な機能に絞った便利なスマートフォン

「US$35のコスト、3年間の安定動作、シンプルな機能」が大きな特徴です。

例えば、Androidプラットフォームの場合、アプリの認証が厳格でなく、OSのアップデートやハードウェアのデザインは、製造企業もしくはGoogleによって行われています。これが、動作不良の主な要因と言われています。また、例えばSamsung等の場合、売価の30%ほどが粗利となり、1~1年半程度で故障に伴う買い替えが生じるため、短期間での動作不良はメーカーにとっては収益性が高いと言えます。

そこで、SUNBLAZE Phoneは、アプリ認証を厳格化し、OSはAndroid8.1をベースとしながらセキュリティをアップデートし、ハードウェアはOEM/ODMによって安価なデバイスを使用しています。Google Playやワッツアップは搭載していませんが、独自のメッセージングアプリを開発中だそうです。

SUNBLAZEのロゴマーク

 

ビジネスモデル | アプリ内決済とスマートフォン・レンタルからの収入

現在は、SUNBLAZE Phoneは法人向けに提供されています。「法人が購入し、必要なアプリをインストールし、従業員に配布する」というストーリーです。

マネタイズの仕組みは大きく二つあります。一つは、アプリ内決済からの手数料収入です。SUNBLAZEでは、決済の10%を回収する仕組みをとります(Googleの場合は30%)。二つ目は、Smartphone as a Serviceによるレンタルモデルです。中~大規模法人向けにスマートフォンを貸与し、OSのアップデートをしながら、レンタル料を回収します。従業員への貸与用として、セキュリティが機能し、壊れにくく、かつ安価なスマートフォンへの需要が多いそうです。とある日系企業の事例でも、数年前に、全従業員に業務用スマートフォンを新たに配布しました。一方で、業務に必要のない機能が多数搭載され、さらにリース価格も一台あたり五万円以上であるにも関わらず、「それ以外に選択肢がなくて、やむを得ず」という理由からとあるスマートフォンを選択しました。こうした悩みは、国内外の各種法人が抱えていると考えられます。

常盤氏によるビジネスモデルのご紹介

 

ポジショニング | ローエンドかつ独自OSで差別化

GoogleやAppleとは異なり、SUNBLAZEはローエンド顧客にフォーカスし、さらに独自OSで動作不良が起きにくいというポジションを取ります。「既存のプレーヤーに模倣されないのか?」という疑問もわきますが、インド市場を手に取ると、2018年の第一四半期時点で、ローエンド向けに安価なスマートフォンを提供するXiaomiがシェアトップに躍り出ています。シェア二位のSamsungですが、「イノベーションのジレンマ」に陥っており、Xiaomiの模倣をするためにはレイオフ等の多大なコストが生じるため、ローエンドへの転換は現実的ではないそうです。さらに、先発者優位として、SUNBLAZE Phoneを一度導入した顧客は、その後も継続して使用し、他社モデルに買い換えるインセンティブも下がると考えられます。また、アプリのエコシステムが構築されると、他社はすぐにはマネ出来ないと見られます。

 

三か月間のトラクション実績 | 既に430台を受注

インド、ルワンダ、ミャンマーでそれぞれ10台、某国際機関で300台、そしてブラジルで100台の受注実績があります。さらに、日本やインドネシア、フィリピン、ケニアなどでもPoC(概念実証)中だそうです。数字および地理の面からも、SUNBLAZEのポテンシャルが伺えます。以下では、各国での導入事例を紹介します。

 

インドの事例

日系コンサルティング企業では、きれいな水で栽培した野菜をインドの富裕層向けに販売するビジネスを支援しています。水質は遠隔地の農家が測定しますが、SUNBLAZE上のアプリを活用することで、オンラインで情報を得ることができます。

 

ルワンダの事例

現地のアグリテック・ベンチャー企業では、農家に農業手法を教示するアプリを開発しています。しかし、ユーザーとなる農家の多くはスマートフォンを所有していなかったため、SUNBLAZE Phoneが活用されています。

 

ミャンマーおよびインドネシアの事例

スマートフォンを用いたデジタル管理をしてこなかった、現地BtoBマーケットプレイスの販売店向けに、SUNBLAZE Phoneが提供されています。

 

某国際機関の事例

当該国際機関では従来は紙で貧困調査をしていましたが、その場合3~4年の時間を要し、調査自体の妥当性が薄れるという問題がありました。今後は、調査官がSUNBLAZE Phoneを用いて現地調査を行うことで、クラウドに調査結果をアップロードするとマシーンラーニングで自動で分析され、レポートが生成されます。こうして、SUNBLAZEの貢献は、世界的な貧困問題の改善にも広がっていくことでしょう。

 

先進国の事例

先進国企業でも、例えば、営業マンの業務をスマートフォンで管理し、パフォーマンスの改善に役立てるといったシーンでも活用され始めているそうです。

 

ブラジルのアグリテックやフィンテック企業にアプローチ | SUNBLAZEへの潜在需要を確認

フォーラム直前には、ブラジルのアグリテック一大拠点でもあるサンパウロ郊外ピラシカーバを訪問し、有力アグリテック企業の関係者らと意見交換しました。大規模農家の農業従事者が使用するスマートフォンは、その多くが長期間使用もしくは盗難されたもので、故障が多々発生します。こうしたユーザーの課題解決を正面から突いたSUNBLAZEへの反応は上々で、「テスト導入したい」との声も早速上がっていました。

さらに、ブラジルのフィンテック統括組織であるABFintechやマイクロクレジット系のスタートアップらとも面会し、低所得者層の多くは、スマートフォンを4-5年使用するゆえに、動作不良が散見されるそうです。しかしながら、買い換えには金銭的なハードルがあります。こうしたソーシャルインパクトの測面からも、SUNBLAZEへの需要が潜在することを確認しました。ブラジルにも既に100台納入済みで、テストを通じての本格的な参入が待ち遠しいですね。

サンパウロ郊外ピラシカーバのAgTechGarageを訪問

 

各セグメントにおけるスケールプラン | 一般消費者向けにも商機あり

下表の様な、3フェーズのスケールプランを描いています。導入までの流れとして、まずは1台のデバイスをサンプルとして法人に提供します。その後、アプリやSIMの動作確認を経て、10台以上を受注する、という流れで導入していくそうです。

カテゴリー フェーズ1 フェーズ2 フェーズ3
toB 農漁業、建設、販売、医療、通信他 運輸物流、ホワイトカラー 政府機関
toC 低中・低所得層 中所得層 高所得層
スペック ローエンド ミドルエンド ハイエンド
地域 BRIC等の主要新興国 欧米および日本等の先進国 アフリカやミャンマー他

 

「アプリストアのエコシステムが整備されてくれば、一般消費者向けのマーケットにも商機がある」と常盤氏は語ります。例えば、HUAWEIのスマートフォンがUS$300で2年間の動作寿命、一方でSUNBLAZE Phoneが半値のUS$150で3年間の動作寿命(かつ優れたセキュリティ機能)とすれば、SUNBLAZEは経済合理性で圧倒的に優位です。

 

スマートフォンの新しいストーリー | エンタメからエンパワーメントへ

従来は「インスタグラムやYoutubeが楽しめますよ」といったエンタメ志向でスマートフォンが販売されてきました。しかし、今後は「このスマートフォンを買えば仕事が手に入りますよ、お金も借りれますよ」といったエンパワーメント志向で販売されるストーリーに転換していくだろうと常盤氏は考えています。こうして、ユーザー自身に高いデジタル・リテラシーがなくても、SUNBLAZEがより多くの人生を変える呼び水となることが期待されます。

 

示唆に富んだ貴重なお話を頂き、ありがとう御座いました!

常盤氏のプロフィールはコチラ!


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